寝違えとは、一種の結合織炎だと考えられています。

寝違えとは、首から肩にかけての痛みによって、思うように動かせない症状のことを指します。筋肉痛や捻挫に似たような痛みで、一種の結合織炎だと考えられています。

簡単にいえば炎症です。首まわりや肩、背中の筋肉や靭帯が損傷、炎症を起こしている状態のことを寝違えといいます。程度は軽い痛みで済む症状から、首や肩を動かせないほど重度のレベルまであります。

寝違え

寝違えが起きてしまう原因はさまざまですが、主に血液の循環が関係しています。例えば、睡眠時は同じ姿勢を保ったままで、体を動かすことはありません。

特に寝返りが上手くできない人は、朝まで体勢を変えることはほとんどないでしょう。ときには、頭部が正常な位置からズレてしまった状態で、就寝してしまうこともあります。不自然な体勢で寝たまま、部分的に筋肉が拘縮してしまい血行不良に陥ってしまいます。

こうして凝り固まった筋肉が起床時、急激に伸ばされてしまうため、筋肉が部分的に断裂してしまう、いわゆる肉離れが生じるというわけです。

突発的に筋肉を動かした

日頃スポーツをしない人が急な運動をした場合や、慣れない運動や仕事をして痙攣をおこした場合に、寝違えは起きやすくなります。

寝違えで悩まされるのは一般人だけではありません。プロのスポーツ選手やボディビルダーでも肉離れになるので、寝違えないように心がけていても起きてしまうものです。

悪い姿勢

姿勢が悪くなると、正しい姿勢でいるよりも筋肉にかかる負担が大きくなり、ときには筋肉がねじれたり、血管や神経が圧迫されたりします。その状態が長く続くと、筋肉が硬直して簡単にはほぐれません。

同様に寝相が良くないのも、悪い姿勢が長時間維持されるため、寝違えになりやすいといえます。特に疲れていたり、酒に酔っていたりするなどして熟睡していると、そのリスクは高まるでしょう。

寝具との相性が悪い

適切な寝具を使えば、寝ている間も簡単に正しい姿勢を保てるようになり、筋肉に必要以上の負担がかかりません。逆に相性の悪い寝具を使うと、不自然な姿勢になり、寝違えやすくなります。

体を支えるマットレスや、頭から首を支える枕の相性には個人差があり、全ての人に最適な寝具というのは残念ながらありません。

なので、できれば実際に店頭で試してから購入するのが望ましいですが、難しいようであれば調節できるタイプを選んだり、タオルなどを使ったりして自分の体に合った寝心地にしましょう。

ストレス

ストレスを溜め込むと、自律神経の交感神経が優位になり、常に筋肉が緊張した状態になります。これまで説明したとおり、筋肉が緊張すると柔軟性が失われ、血流も滞りやすくなるので、寝違えになる可能性が高まるわけです。

軽い運動をしたり、寝る前に腹式呼吸をしてリラックスしたりすると、副交感神経が優位になって、ストレスが和らぐだけでなく筋肉も緩みます。早めに解消して寝違えを防ぎましょう。

腋窩神経(えきかしんけい)の圧迫

腋窩とは脇の下にあるくぼみを指し、動脈や静脈が走り、リンパ節が集中しているところです。腋窩の神経は肩甲骨(けんこうこつ)や上腕骨(じょうわんこつ)に伸びていますが、途中にある筋肉や骨に圧迫されると、麻痺して腕が上がらなくなってしまいます。横向きで眠るクセがある場合は要注意です。

冷え

体の冷えは血流を滞らせて、老廃物の排出を妨げます。損傷した筋肉を修復するための栄養や酸素も十分に届きません。その結果、寝違えを引き起こしやすくなってしまいます。気温の低さや冷房などの環境による要因だけでなく、運動不足や不規則な生活、食事によっても体は冷えがちです。

まずは、冷えやすい足元や太い血管が集中する首回りを温め、入浴や軽い運動を習慣にするよう心がけましょう。

過度な飲酒

先ほどの「悪い姿勢」とも関係しますが、飲酒によって泥酔すると、不自然な姿勢のままで眠りに落ち、そのまま長時間熟睡する傾向があります。当然、その間は筋肉に大きな負担がかかり続けるため、目覚めたとき寝違えになりやすいわけです。飲み会が集中する春先に寝違えが急増するという事例もあります。

飲み過ぎないのが一番ですが、せめて正しい姿勢で眠りにつきたいところです。

急性の痛み(ギックリ背中)

次のような症状は「ギックリ背中」かも!

  • 背中に急激な激痛が走った
  • 背中の筋肉や筋がつったようになった。
  • 一定の角度に体を傾けると痛みが生じる。
  • 息を大きく吸うと痛む。

など何の前触れもなく突然にあらわれ、背中が痛くて辛い症状のことです。背中の筋肉の筋繊維や筋肉を包む筋膜が微細断裂を起こすことが原因です。症状としては軽度の肉離れのようなものです。
その痛みも激痛が走って動けなくなってしまうほどの強い物から寝違えたような痛みのもの、ピリっと痛んでから徐々に強く痛みが増すものまで様々です。

※ 突如くる背中の痛みは首(頸椎)が原因の事もあります。眠れないほどの痛み、神経痛のような痛みうずくような痛みは早めの治療をおすすめします!

慢性的な痛み

肩こりと同じように背中、肩甲骨まわりの筋肉が凝っている場合もあり、背中の痛みのほとんどが骨盤・骨格の歪み=姿勢不良が原因の事が多いです。
また長時間同じ姿勢でのデスクワークやスマホの使い過ぎで背中に負担がかかり痛みの原因にもなります。

些細な事だと放置しないで

寝違えもすぐに治るわけではありません。場合によっては、2~3日以上、辛い痛みが続くこともあります。我慢しないで当院へご相談ください。